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IPO準備中に社長から「上場をやめる」と告げられどう乗り越えたか!!

スタッフブログ

2026.10.01

株式上場準備室の立ち上げ

20年前、前職で株式上場準備室を立ち上げた

5人で始めた上場申請に向けた準備

上場準備室は、証券会社や監査法人との折衝、開示資料の作成、社内規程や内部統制の整備など、会社を「上場できる状態」に整えるための専任チームです。少人数でのスタートでしたが、私自身は準備作業をスケジュールどおりに進められるという根拠のない自信はありました。この時点では、後に社長との間で大きな問題が起きるとは、想像もしていませんでした。

準備作業が順調に進んだ3つの理由

準備作業が順調だった理由は、これまで私の経歴にあります。第一に、新卒で入社した情報会社で何百社もの上場企業の有価証券報告書や決算短信を読み込んできたため、開示資料作成には一定の見識はありました。第二に、会計事務所で法人の税務申告を経験していたことから、監査法人や主幹事証券とのやり取りも大きな問題なく進められました。第三に、技術者派遣事業の創業メンバーだったため、市場や同業他社の動向、採用トレンド、労働者派遣法をはじめとする法令とその運用にも通じていました。

社長を含む役員との確執

意外にも上場準備で最も苦労したのは社長を含む役員との確執でした。

上場の知見を持つ役員が一人もいなかった

社長を含め、役員には上場の知見を持つ人が一人もいませんでした。主幹事証券や監査法人から投げかけられる質問や課題について、社内で相談できる相手もいません。主幹事証券からは質問事項に対する回答スピードも審査の一環として見ていると言われたこともあり、結果として、判断や対応を担うのは実務を担当する私たちが直接回答することが多くなり、経営陣と同じ目線で課題を共有する場が持てないまま、準備だけが進んでいきました。

報告・連絡・相談がおろそかになった結果

気がつけば、上司と私の2人だけで作業を進め、社長への報告・連絡・相談がおろそかになっていました。それが社長には気に食わなかったのでしょう。ある日突然「上場するのを止める!」と言われ、なだめるのに大変苦労したことを今でも覚えています。IPOを成功させた会社でも、ここまでの事態に陥るケースは非常に稀だと思います。ただ、準備が順調であるほど、経営トップへの共有が後回しになりやすいという教訓は、どの会社にも当てはまるのではないでしょうか。

IPO準備で問われるのは?

IPO準備で本当に問われるのは経営者の気持ちです。

専門知識もノウハウも役に立たない場面がある

IPOの準備作業は、時間とお金をかければ何とかなります。体制づくりも規程整備も、必要に応じて外部の専門家の力を借りれば前に進められます。しかし、社長のお気持ちをなだめすかすことには、専門知識もノウハウもまったく役に立たない。このとき、私はそう悟りました。上場は会社の制度や数字だけの問題ではなく、最終的には意思決定をする経営者の納得と覚悟の上に成り立つものだと痛感した出来事でした。

創業者利得だけが目的ではなかった

私は、IPOは社長を含む大株主が創業者利得を目的に行うものだと決めつけていました。ところが、その社長が「止める」と言い出したのです。会社を自分の利益だけのために運営していたわけではなかったのだと、私自身、起業してから気づかされました。経営者には、社員や取引先、会社の将来への思いなど、外からは見えない判断軸があります。その背景を理解しようとする姿勢こそ、IPO準備を支えるうえで欠かせないものだと考えています。

IPO準備中の経営者・CFOの皆さまへ

IPO準備は、実務を進めるだけでなく、経営者との対話を重ねながら進めるものです。IPO準備中の経営者・CFOの皆さま、抱えていらっしゃる悩みや問題がありましたら、弊社にお気軽に問い合わせください。また、毎月無料でオンラインIPOセミナーを開催しております。お時間が許す限り、ご参加いただけると幸いです。

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